こんにちは、みのやま(@DrMinoyama)です。
この記事では
初期研修医が病棟業務で使う持ち物
について解説します。
医者はなるべく荷物を最小限にしてハンズフリーで病棟回診に臨みたいですよね。
でも病棟業務をしていると、いろんなものが必要に思えてくる・・・。
今日の記事は、自分なりに取捨選択してたどり着いた内容、をまとめてみます。
いつでも両手で患者さんの身体診察できるように荷物は最小限にしたい。
でも、あれもこれも持っていかないといけなくて大変・・・。
私が普段持ち歩いてるものを紹介するね。
スクラブのポケットにぎりぎり入るから、両手をふさがないよ。
必要なもの
聴診器
聴診器はなんだかんだ便利だよ
肺炎ではレントゲン上で明らかになる前に聴診でcoarse cracklesが聞こえるのでわかります。
緊急入院してきた方で聴診上で収縮期駆出性雑音があればASなんだと気付けて、Volume管理は慎重に行おうと身構えれます(ASではVolume指摘範囲が狭い)。official心エコーで弁膜症がわかる前の内科管理もちょっとレベルがあがります。
私はリットマンというメーカーの聴診器を使っています。学生時代に購入したものでスペックとしては申し分ないのでずっと愛用しています。
聴診器は本当に無くしやすいので、私はAirtagをつけています。ICUの急変対応でバタついているときとか、手術で清潔な恰好になるときとかに置き忘れがちです。そんなときに病棟のどこに置いてあるかをスマホが教えてくれます。(私はADHD気質があります。うむ。)
地図
担当患者一覧から病棟昇順、病室昇順に並び替えて、画面印刷すると便利だよ。
これは、事前に用意する物品じゃなくて、当日の朝に院内カルテから印刷しておくものです。担当患者は基本的に全員同じ階にいることはないですし、病棟の都合で部屋が昨日の場所から移動するのは日常茶飯事。
回診でまわるときに事前に印刷した地図をもってチーム全体を案内するとスムーズになります。
私は、その日の朝回診で決まった方針、オーダーなどを紙の裏側にメモしていました。
万が一紙を落とすと個人情報漏洩になるので、患者さんの個人名がかかれた書類はなるべくこれ1枚にまとめるようにしています。
ペンライト
瞳孔径を確認したり、ライトを使いながら手術創を確認したり、使い道はいろいろあるよ。
私は、ライトが2種類ある、USB充電できる、瞳孔径が書かれている、ポケットに刺してしまいやすい、上のペンライトがお気に入りです。
ただ、対光反射の確認ができるペンライトであれば何でも大丈夫です。
印鑑
処方箋、麻薬の処方、医師のサインが必要な書類などなど、印鑑を押さないといけない場面が山ほどあります。
私のお気に入りはプチネームというシャチハタです。すごくコンパクトで場所を取らないですし、キーホルダーとしてPHSにつけることも可能です。
カラーも豊富ですし、ディズニーキャラのデザインのものも発売されています♪
ぜひご自身に合うものを探してみてください。
ボールペン
ボールペンは必須です!が、よく病棟でなくします・・・。
何度無くしたことか・・・。
ボールペンにPHS番号、名前を書いて貼ったら無くさなくなりました。
おすすめはジェットストリームの0.7mmです。
総合内科病棟マニュアル
研修医が押さえるべき内科の知識が詰まった参考書です。手のひらサイズでスクラブのポケットにギリギリ入ります。
初期研修医や専攻医以上でも自身の非専門分野の内科知識については、非常に頼りになる一冊です。
病棟業務中に困ったことに関しては、とりあえず
総合内科病棟マニュアル+Google+ChatGPT
で私は乗り切ってます。
詳しいレビューはこちらに書いているので気になる方はどうぞ!
輸液表・食事表
入院してくる患者さんは具合が悪くて食事が食べれなかったり、飲水もままならず電解質が狂うことが多々あります。
そんなときに大事なのが、輸液の組成早見表や食事ポケットマニュアルです。
電解質の組成や、食事を全量摂取したさいのカロリー・水分量を一目で把握することができます。
私は上の写真のように、総合内科病棟マニュアルの裏表紙に挟んで一緒に持ち歩いています。
ポータブルエコー
ポータブルエコーは必須ではないですが、あるとすごい便利です。
腎機能障害を認めた際に膀胱・腎臓を確認することで腎後性AKIを即座に除外or診断できる。
厳密にVolume管理する場合に連日IVCを測定できる。
末梢静脈路確保、採血困難例に対して、Echoを使うことで、患者さんの負担を軽くしながら手技を正確にできる。
ポータブルエコーなので詳細な描出はできませんが、上記のような最低限のことをフットワーク軽く行えるのでとても便利です。
エコーをいちいち別の階(主にICU)から持っていくのはとても手間がかかります。
注意点は
めちゃくちゃ値段が高いこと
40万もしました(小声)。でも買って後悔はしてないです。
必要でないもの
時計
私はPHSで代用しています。また病棟のパソコン、スマホでも時刻を確認できます。
そして大事なのは、
時計が手技の邪魔になりうる。患者の血や体液などが時計にかかりうる。ことです。
時計は高価だから、カバンに大事にしまっておこう。
タブレット端末
学生実習の際には調べものやレポート作成のために持ち歩いていましたが、研修医に上がってからは持ち歩いていません。
理由は、荷物がかさばってしまうから、です。
病棟では総合内科病棟マニュアルとスマートフォンでなんとかなる範囲でざっと調べて、それでも解決しないことは医局に戻ってからパソコンと参考書を何冊か開きながら腰を据えて調べるようにしています。
はさみ
持ち歩いていた時期もありましたが、医師自身が自分でテープを切る場面が案外少ないです。
事前に用意してくださる看護師のみなさんにいつも頭が上がりません。
切る必要がある場面では、近くにいる看護師さんに借りるようにしています。自分の場合はこれで業務に滞りなくできているので、持たなくなりました。
名刺入れ
社会人として名刺入れが必須なイメージがあるかもしれませんが、研修医には必要ないです。
外部の会社とやり取りすることもないですし、ご家族にお会いして何か説明するタイミングでは社員証・名札を提示すれば十分です。3年目以降や専門医取得後に医長になる場合などは必要でしょうが、少なくとも初期研修医のうちは不要です。
まとめ
いかがだったでしょうか?参考になりましたでしょうか?
荷物は最小限にしつつ、効率的に業務を進められるように頑張りましょう!
それでは!
みのやま
コメント